
第26回全国オンライン勉強会【岡本麻弥氏】2025/11/28
「ポップカルチャーを守れ。インボイス廃止!」
岡本 麻弥
おかもと まや
声優
現役のアニメ声優としてインボイスに反対します。
1985年『機動戦士Zガンダム』のエマ・シーン役で注目を集め、翌年『メイプルタウン物語』で初主演。その後も『機動戦士ガンダムZZ』(リィナ・アーシタ役)、『機動戦艦ナデシコ』(ハルカ・ミナト役)、『サイレントメビウス』(彩弧由貴役)、ゲーム『サクラ大戦2』(ソレッタ・織姫役)など、数々の人気アニメやゲーム、吹き替え作品で活躍。
2022年よりインボイス制度に反対する声優の団体「VOICTION」共同代表。同会脱退後もインボイス制度に反対する市民運動を精力的に展開している。

レポート
今回の全国オンライン勉強会では、声優として40周年を迎えた岡本麻弥さんを講師に迎え、インボイス制度の問題点についてお話しいただきました。
麻弥さんは、インボイス制度がエンタメ業界だけでなく、社会全体の「働く人」の土台を揺るがす問題だと訴え、声優として、そして市民としての思いを率直に語ってくれました。
講演は、一緒に活動してきた阿部さんとの“ラジオ形式”。現場で起きているリアルな声や制度の問題点を、わかりやすく伝えていただきました。
当日の司会は、おなじみのさかぐち事務局長。全体の進行を温かく支え、講演をスムーズに導いてくださいました。

始めに、くしぶち本部長の挨拶😊
皆さん、こんばんは。昨日までボランティア本部主催のれいわ文化祭でしたので、連日参加してくださった方もいるかもしれません。今日も全国勉強会にご参加いただきありがとうございます。
そして今回は、声優の岡本麻弥さんに初めて講演をお願いしました。快く引き受けてくださって本当にありがとうございます。いつも一緒に運動している阿部さんと“ラジオ形式”でお話しいただけるということで、すごく楽しみにしていました。
インボイス廃止は、消費税廃止とセットで、れいわが1丁目1番地で掲げている政策です。ここ1年で中小企業や小規模事業者の倒産が急増していて、昨年以上に1万件を超える見通しです。明らかにインボイス制度の影響が大きいんだと思います。
今日は、現場の声を一緒に学び、政策実現に向けて力を合わせていきたいと思っています。岡本さん、阿部さん、よろしくお願いします。
それでは、岡本氏の講演内容をダイジェストでお届けします🌟
🌟インボイス制度で“静かに追い詰められる”エンタメの現場
声優、アニメーター、漫画家、舞台役者など、表現の現場で働く多くの人は個人事業主。その人たちを直撃しているのがインボイス制度です。
すでに現場では、
・収入が実質的に減る
・経理負担の急増
・インボイス未登録者への“サイレント排除”
・小さな劇団や制作会社がギリギリの状態
といった深刻な影響が広がり、若い人ほど続けられない状況になっています。
🌟消費税とインボイスの“ややこしさ”をやさしく解説
阿部さんからは、制度のポイントを現場の視点で解説。
・消費税は消費ではなく「付加価値」に課税される
・そのため人件費にも税がかかる
・免税事業者が課税事業者化を迫られる
・2026年に特例が終わると、本格的に影響が出る
なぜ弱い立場の人ほど苦しくなるのか、その理由がスッと理解できる内容でした。
🌟ポップカルチャーが失われていく、現場で進む“静かな崩壊”
麻弥さん自身がインボイス制度の反対運動に関わった経緯や、現場で出会った切実な声も紹介されました。
「仕事が減って辞めざるを得なかった」
「経理ができず続けられない」
「制度が理由で夢をあきらめる若者がいる」
など、胸が痛む声が多数届いているといいます。麻弥さんは、数字や制度の話ではなく「一人ひとりの人間や人生」がかかっていると語り、胸の内を明かしました。
🌟2026年10月、本当の“地獄”が始まる
いまはまだ特例措置で、苦しさが見えづらい状態。
しかし2026年10月に特例が切れれば、
・小劇団
・小規模事務所
・中小出版社
・フリーランスの若手
などがさらに追い詰められ、“連鎖的に倒れる”可能性が高いと指摘。
今のうちに知って、止めなければいけません。
ここで紹介したのは講演の一部です。
他にも、仕入れ税額控除の仕組み、消費税の構造と不公平さ、これから私たちに何ができるのか、など、より踏み込んだ内容が語られています。
ぜひアーカイブで全編ご覧ください🌟
アーカイブはこちらから!


次は皆様からの質疑応答タイム🌟
今回もたくさんの質問が寄せられ、その中から特に印象的だった3つをご紹介します。
- インボイスの問題を知らない人に、端的に伝える“いいセリフ”はありますか?
-
それを知りたいんです。私も(笑)。ほんと魔法みたいに一言で伝わるセリフがあればいいんですけど、なかなか難しいんですよね。だから漫画にしたり、曲にしたり、いろんな形で広げようとしてきたんですけど、それでもすぐには伝わらない。でもね、最初の頃は反応ゼロだったのが、最近は“いいね”やDMが来るようになって、あ、空気変わってきたなって思うんです。だからやっぱり言い続けることかなって思います。
- ポップカルチャーだからこそ、平和のためにできることは?
-
日本のポップカルチャーって、本当に世界中で愛されてるんですよ。アニメの海外ファンも“日本の声が聞きたい”って言ってくれて、コンベンションに行くとそれをすごく感じます。でも、クールジャパンなんて言われても現場には全然お金が落ちてこない。それが本当に悔しいんです。だからまずインボイスをなくすことが大事なんです。アニメや漫画って国を超えて人をつなぐものだから、世界中から“日本のアニメをなくさないで”って声が届いてるんですよ。業界はインボイスだけじゃなくてAIの問題もあってすごく複雑だけど、みんながちゃんと意思表示をしていくことかな。声優が“ギャラ上げろ”って言ったって制作費がないから切られるだけで、根本は“国にお金が回ってない”っていう経済の問題なんです。だからこそ消費税廃止が本当に重要で、事業者が助かれば雇用も賃金も増えて、文化を支える土台も整います。一度失われた文化は戻らないから、急いで経済を立て直して、アニメや文化をまた伸ばしていけたら、きっと平和にもつながると思っています。
- 3年後に議員になられるまでの準備期間に、インボイス廃止に向けてどのような活動をされますか?
-
本当はどう動くのが一番いいのか、まだわからない部分もあるんですね。でも、アニメや漫画、声優っていう分野には外へアプローチする力があるんじゃないかなと思っていて。だから、れいわの色を前面に出すというより、今まで通り超党派で活動してきたイメージを大事にしながら、一般市民の声を外に届けていきたいんです。その上で、れいわ新選組の政策は絶対に間違っていないと私は思っているので、ちゃんと知ってもらえれば、もっともっと支持が増えていくと信じています。そして今は、とにかく勉強したいんです。歴史も制度も憲法も、しっかり理解していないと“声優が何か言ってるだけ”で終わってしまうから。私は皆さん一人ひとりの代表なんだという気持ちを忘れずに、これからしっかり準備していきたいと思っています。
今回の勉強会について、ネット上でのご感想👇
つぶやいてくださったみなさま、感謝です☆
◆消費税は、値上げの“言い訳”さえあれば、生活必需品などを扱う事業者は実質的に負担しなくて済む不公平な税制です。また、主に輸出企業などは“消費税の還付金”として毎年9兆円ものお金を受け取っている場合もあり、こちらも大きな不公平を生んでいます。
◆税金が国民の命を奪うとか有り得ないわ。
◆ビジネスで立場の弱い個人事業者は「値上げ交渉=契約打ち切りの契機」に利用されることがインボイス反対運動の参加者から発信されてました。 このような現実を知っていれば「値上げすればいい」という意見の悪質さに気づけると思います。 まさに、新自由主義者が望む税制なのです。
最後に、くしぶち本部長からコメントがありました。
岡本さん、阿部さん、本当にありがとうございました。現場のリアリティを共有していただいたことが本当に貴重でしたし、もうね、私すごく腹が立ってきたんです。今年度の税収、80兆円なんですよ。初めて。しかも当初予想より3兆円も上振れしてる。それぐらい我々から取ってるんですよ。なのに、インボイスで得られる税収なんて2,500億とか3,000億くらい。そんな小さな額のために、人の暮らしも文化もスキルも追い詰める制度を導入しているなんて、こんな腹立たしいことはないですよね。もっと多くの人に知っていただいて、“国は税金取りすぎ、国民は取られすぎ。返せ”って声をもっと上げないといけません。
それから“食料品だけ消費税0%”には本当に騙されちゃダメです。数字で見ても効果はめちゃくちゃ小さくて、1年で6.4万円、1ヶ月5,300円しか下がらない。でも5%減税なら年間14万円、消費税廃止なら年間29.8万円、月2万5,000円。どれだけ“食品だけ0”が見せかけか、はっきりしてますよね。
参議院選の時は、自民以外すべての政党が消費税減税を公約にしてたのに、今はどんどんしぼんでいる。唯一立憲が言ってる“食品ゼロ”も、財務省の手車だと思います。少なくとも消費税5%減税、そして消費税廃止”を訴えていく必要がある。消費税廃止をすれば、インボイスも廃止はセットなのですから。
今日のお話を聞いて、改めてれいわの政策の正しさを強く感じました。今日の勉強会は、れいわの議員、ボランティアのみんな、地方議員のみんな、そして麻弥さんと、“インボイス廃止を一緒に動いていこう”というスタートだと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします。
今回の勉強会で改めて感じたのは、
ポップカルチャーを守ることは、私たちの生活を守ることそのものだということでした。
声優という「声を届ける仕事」をしてきたからこそ、困っている人の声をすくい上げて外に伝えていきたい。そんな思いが伝わってくるお話でした。
インボイスの問題は特定の業界だけではなく、中小企業やフリーランス、地域の商店など、多くの生活者に直結する問題です。
文化も仕事も失わせないために、声を上げ続けることの大切さを実感しました。
表現の力、市民の力が集まれば制度は必ず変えられる。
これからも一緒に、“生きててよかった”と思える社会をつくっていきましょう。
岡本麻弥さん、阿部さん、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました🌟


岡本麻弥さんの代表作もぜひチェックしてみてくださいね☆
↓
〇機動戦士Zガンダム(エマ・シーン)
〇メイプルタウン物語(パティ・ホープラビット)
〇サクラ大戦(ソレッタ・織姫)
れいわオーナーズ・フレンズにご登録いただくと、全国オンライン勉強会やイベントのご案内が届き、マイページから過去のアーカイブも視聴可能となります。
→ ご登録はこちら