「戦後日本と国体論」
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白井聡氏
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現代日本政治・戦後史の構造や意識、国際関係の分析などを研究。
2013年刊行の『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版、後に講談社+α文庫)では日本の「戦後レジーム」を鋭く論じ、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞などを受賞。
その他の著書に『国体論菊と星条旗』(集英社新書、2018年)、『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社、2020年)など多数。新聞、雑誌への寄稿、ラジオ、テレビ等への出演などでも活躍。
レポート🌟
第24回全国オンライン勉強会【白井聡氏】2025.9.26(金)
“国体”と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
戦後80年を経た今、日本はどこへ向かっているのでしょう。
今回の全国オンライン勉強会では、政治学者でれいわ新選組にも期待を寄せる白井聡氏を講師に迎え、“国体”を軸に、日本という国のかたちを根本から見つめ直しました。

始めにくしぶち本部長と大島議員の挨拶😊
こんばんは。遅い時間にもかかわらず、全国からご参加いただきありがとうございます。戦後80年という節目にあたり、今日は白井聡さんに“戦後日本と国体論”という大きなテーマでお話しいただきます。最近の国連総会やパレスチナ国家承認の問題、そして核兵器廃絶をめぐる日本の姿勢を見ても、いわゆる戦前の国体が戦後も続いているような、この官僚国家、あるいはアメリカへの忖度が一体どこから来ているのかというあたりを、皆さんと一緒に勉強を深めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
ボランティアの皆さん、本当に日々れいわのために頑張っていただいている皆さんにまずは感謝を申し上げます。そして、白井先生、遅い時間にもかかわらず、大変貴重なお話をいただける機会をいただきまして、ありがとうございます。この国体と言う部分、皆さんも大変興味がある部分だというふうに思います。今日はしっかり勉強させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、白井氏の講演内容をダイジェストでお届けします🌟
🌟「国体」とは何か?
国民体育大会を真っ先に思い浮かべた方が多いと思います。「国体」とは、明治時代に生まれ、戦前日本では「命よりも大切」とまで言われた国家理念です。戦前は“天皇中心”の国体、戦後はそれが“アメリカ中心”に置き換わった。国体そのものは消えたように見えて、実は形を変えて生き残っています。
🌟「終戦」ではなく「敗戦」ごまかされた歴史
白井氏は、戦後日本の始まりそのものに“ごまかし”があったと指摘します。
それは、1945年8月15日を「敗戦の日」ではなく「終戦の日」と呼んだこと。
「戦争が終わったという言い換えは、責任の所在をあいまいにする。負けたことを認めないまま、終わったことにしてしまった。」
その結果、誰も責任を取らない、上に逆らえない構造が戦後にも引き継がれました。原発事故や官僚政治の中に見られる無責任の体系も、その延長線上にあるといいます。
🌟戦後の“新しい天皇”はアメリカだった
戦後、日本はアメリカの占領を経て独立したとされています。
しかし白井氏は、それは形式上の話にすぎないと語ります。
「日米安保体制の下で、日本はアメリカの庇護を受けてきた。でもその実態は“従属”です。アメリカがいなければ日本は生きられない、そう信じ込まされてきた。」
日本には世界の中でも最も不平等な地位協定があり、米軍基地を自国で自由に扱うことすらできない。それでも多くの国民が守ってもらっていると信じている。この“従属の無自覚”こそが、戦後日本の特徴です。
🌟戦前と戦後は“鏡合わせ”の関係
時代 | 構造 | 支配のかたち |
---|---|---|
戦前 | 天皇を頂点とする「家族国家」 | “天皇のために”という服従 |
戦後 | アメリカを頂点とする「従属国家」 | “同盟のために”という服従 |
表のように、戦前も戦後も人々は気づかないうちに服従しており、支配の構造は変わっていません。どちらも“支配を否認するような支配”です。
戦前、人々は「天皇のために死ぬことが喜び」と教えられましたが、今や「アメリカの秩序のために戦うのが当然」という構図が再び迫っています。台湾有事の議論もその延長線上にあります。
🌟「戦後77年」は「戦前77年」と重なる
明治維新(1868年)から太平洋戦争の敗戦(1945年)までが77年。そして、戦後(1945年~2022年)もまた77年。
「同じ77年を経て、戦前の“天皇中心”の国体が崩壊したように、戦後の“アメリカ中心”の国体も、破局に近づいているのではないか。」
ロシア・ウクライナ戦争をめぐって、G7諸国とグローバルサウスの対立が鮮明になり、アメリカ中心の秩序は揺らいでいます。
アメリカがかつての覇権を維持できず、軍事・経済・価値観のすべてで行き詰まりを見せています。その中で、日本はどう生きるのかが問われています。
上記がお話いただいた主な内容の一部です✨
ここでは語りきれない鋭い指摘や、戦後日本への痛烈なメッセージがまだまだ続きます。
白井氏が語る、日本が本当に独立するために必要なこととは…?
貴重なアーカイブ映像をぜひご覧ください🌟
アーカイブはこちらから!


次は皆様からの質疑応答タイム🌟
こちらでは、寄せられた質問の中から2つをピックアップしてご紹介します。
- アメリカへの従属から抜け出せない政治。その中で日本が独立を取り戻すにはどうすればいいのでしょうか?また、それを支える教育のあり方はどうあるべきですか?
-
日本の政治は、いまだにアメリカへの従属から抜け出せていません。自民党にも立憲民主党にも「対米自立」の意志がない。かつて石破さんが日米地位協定の改定を口にしたくらいで、それを引き継ぐ人もいない。そもそも自民党はCIAの支援で作られた政党ですから、アメリカの意向を離れて動くことはありません。立憲も同じで、政権が変わっても対米姿勢は1ミリも変わらない。つまり、日米安保体制こそが「戦後の国体」になってしまっているんです。だから本当に独立を取り戻すには、既存政党に頼らず、れいわのような新しい政治勢力が伸びるしかないと思います。教育については、結局「教師次第」です。日本の対米従属を自覚して教えられる教師なんて、ほんの1%もいないでしょう。だからこそ、今できるのは、頑張れる人が自分の頑張れる場所で、一生懸命そこをリカバリーする努力を続けるしかないと思います。
- 天皇の戦争責任をどう考えるべきでしょうか?
-
天皇の戦争責任については、戦後ずっと議論されてきましたが、私は全部空回りだったと思います。なぜなら、その責任があるかないかを決める力を、日本人は持っていなかったからです。戦後、それを決めたのはアメリカ、つまりマッカーサーでした。アメリカが「責任なし」と決め、それに合わせて「天皇は戦争に消極的だった」という物語が作られたわけです。もし逆に「責任あり」とされたら、好戦的な発言だけが強調されていたでしょう。結局、判断の主体はアメリカで、日本人自身の議論はその枠の中で空転してきたのです。私が最も問題だと思うのは、昭和天皇が戦後、日米安保を強く推進し、米軍が日本に恒久的に駐留する体制を作ったこと。そこにこそ、彼の「最大の罪」があると思います。
今回の勉強会について、ネット上でのご感想👇
つぶやいてくださったみなさま、感謝です☆
◆日米地位協定程ひどい従属体系はない。戦前と戦後で国体が平行と反復を繰り返している…結局日本は本質的に変わってないんだな…自分の力で民主主義をもぎ取らなかったツケでしょうか。
◆政府の赤字はみんなの黒字。確かに失われた30年は、アメリカ様の米民化教育みたいなもんですもんね。白井さんさすが面白いアナロジー。
◆日本国が日本国民及びアジア諸国に対して加害したことの反省がまともに議論反省を保守を名乗る似非保守たちにさせないと、まともな国際社会から尊敬される国にはなれない。
勉強会の締めくくりでは、大島議員、くしぶち本部長、さかぐち事務局長から、それぞれ感想とコメントがありました。
白井先生、ありがとうございました。戦前は「天皇主権」、戦後は「国民主権」と言われながら、今の政治は大企業やアメリカの声を代弁していて、国民のためになっていない。れいわ新選組はすべての人を救っていく。誰も見捨てないで、その国民の声をしっかりと反映する政治を作っていく。ボランティアの皆さんこそ、市民の代表であり、その声を政策に反映させることが“れいわ国体”、いわば「ボランティア主権」だと思います。白井先生のお話から、れいわが果たすべき役割を改めて考えさせられました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
昭和天皇が沖縄の米軍駐留を認めたというお話は、本当に衝撃でした。私はこれまで、戦争に負けた結果として占領が続いていると思っていましたが、その構造を日本自身がつくったという視点で見ると、私たちが無自覚に続けている“服従と支配”の姿がはっきり見えてきました。私たち政治家は、ただ学ぶだけでなく、この服従の構造にどう抵抗するかを実践で示していく責任があります。改めて対米自立と外交の重要性を理解しました。今日はありがとうございました。
今回、多くの質問が「日本に主権はあるのか」「どう取り戻すのか」という共通したテーマでした。白井先生からは、その問いに対して多くのヒントをいただいたと思います。れいわ新選組としても、主権回復への大きな一歩として日米地位協定の改定に本気で取り組んでいます。伊勢崎賢治さんを中心に準備を進めていますので、今後の展開にもぜひご期待ください。また先生のいろいろなご助言もいただければと思います。
今回の勉強会は、日本の政治や国体の構造、主権について考える貴重な機会となりました。現状を理解し、自分たちで考え行動することが大切です。
声を上げ、“生きててよかった”と思える社会を一緒につくっていきましょう!
白井聡さん、そしてご参加いただいた皆様、遅い時間までありがとうございました🌟


白井聡氏の著書もぜひチェックしてみてください!
↓
〇武器としての「資本論」 – 東洋経済新報社 2020/4/10
〇国体論 菊と星条旗 – 集英社新書 2018/4/17
〇永続敗戦論 – 太田出版 2013/3/8
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