HOME ボライベ 全国オンライン勉強会 第15回全国オンライン勉強会【安冨歩氏】

「『子どもを守る』を政治の原則に」

れいわオーナーズ・フレンズ」にご登録いただくと、全国オンライン勉強会やイベントのご案内が届き、マイページから過去のアーカイブも視聴可能となります。
→ ご登録はこちら

安冨歩氏

安冨歩氏

「満洲国」の経済史と非線形数理科学との研究からスタートしてさまざまの分野を遍歴。

職場も住友銀行、京都大学、ロンドン大学、名古屋大学、東京大学と転々として、早期退職。50歳で女性装に移行。

2019年の参院選で、れいわ新選組比例区で立候補し、その様子を記録した原一男監督『れいわ一揆』で主演。

絵画制作、音楽活動を展開。YouTube『一月万冊』で時事問題を日々論評。著書多数。


レポート🌟

第15回全国オンライン勉強会【安冨歩氏】2024.12.20(金)


今回は、東京大学名誉教授であり、独自の視点で政治や社会のあり方を問う安冨歩氏。長い歴史の中で築かれてきた国民国家のシステムを振り返りながら、未来の社会のあり方を考える濃密な時間となりました🌟

司会進行はさかぐち事務局長!毎回の勉強会を支える欠かせない存在です😊

安冨歩氏、さかぐち事務局長、くしぶち本部長

初めに、くしぶち本部長の挨拶!

年末のお忙しい中、ありがとうございます。今日は、安冨さんの本質的な視点から学べることをとても楽しみにしています。私の実家は保育園や幼稚園を運営していて、祖父母や親から『日本には子どもを根幹にした政策がなく、すべて大人都合で決められている』と聞きながら育ちました。その問題意識ともつながる深いお話になると思います。どうぞよろしくお願いします!

それでは、安冨氏の講演内容を簡潔にまとめていきます🌟



🌟政治の原則を問い直す

冒頭で安冨氏は、かつてれいわ新選組の立ち上げに関わった経験を振り返りつつ、「政策だけでは解決できない時代に突入している」と指摘。その理由として、近代国家の根本にある「富国強兵」という原則が時代にそぐわなくなっている点を挙げました。
「国民国家は戦争を前提としたシステムです。しかし、核兵器の出現や総力戦の終焉により、その存在意義が揺らいでいます」と安冨氏。国家が富を増やし軍事力を高めることが目的だった時代から、次の社会の目的をどう定義するかが問われています。


🌟社会の目的は「子どもを守る」

安冨氏の提案する新しい原則、それは「子どもを守る」を政治の中心に据えること。「蜂や蟻の社会を見ても、すべての生物は次世代を守るために社会を形成しています。それは人類も同じはずです」と主張。
特に学校教育については、「今の学校は子どもを守る場になっていない」と指摘し、教育のあり方を根本的に見直すべきだと提言。「教えることではなく、子どもたちが安心して食べ、眠り、成長できる環境を整えることが重要」と訴えました。


🌟れいわ新選組への期待

「れいわ新選組が掲げる積極財政や消費税廃止は時代に即した政策ですが、さらに一歩踏み込んで、国民国家の枠組みを超えた議論ができる政党だと思います」と語る安冨氏。その発展を「日本社会が次の時代に進むための兆し」と評価する一方で、「国民国家のシステムに取り込まれてしまう可能性」についても言及しました。れいわ新選組が取り込まれずに、今後どのように進化していくのか、その行方は私たちにかかってますね!




上記がお話いただいた主な内容です✨

まだまだ書ききれないこともありますので、詳細はぜひアーカイブでご覧ください🌟



安冨歩氏
安冨歩氏



次は、皆様からの質疑応答タイム🌟
たくさんの質問の中から、いくつかピックアップしてご紹介します。


学校は危険だと言われてますが、子どもをどんなふうに教育したらいいんでしょう?

今の学校って本当に危険なんですよね。性犯罪のニュースとか、学校がそういう事件の場になってるっていう現実があるんです。行かせるなら、まずそのことを心配しなきゃいけない。それが前提になると思うんですよね。 でも、そもそも学校で教わる知識って、自分が本当に知りたくて身につけたもの以外はほとんど忘れちゃうんですよね。だから、子どもが「これを知りたい」とか「学びたい」って思うことをやらせる、それが一番なんじゃないかと思います。 ただ、今の学校システムにプラスアルファで何か加えるっていうのは正直無理があって、やっぱり仕組み自体を変えなきゃいけないですよね。

安冨先生が批判してるのは公立学校だけですか?それとも学校という仕組み自体がおかしいと思いますか?

学校全部おかしいと思ってますね。新しい教育って言っても、100年以上前にデューイが言ってたことと変わってないんですよ。そのデューイですら、結局「親が働いてる姿を見て、子どもが自然に学ぶ」みたいな本物の教育には勝てないって書いてるんです。だから学校の中で本物の教育っぽいことをやろうとしても、それは偽物なんですよね。結局、大人の生活と子どもの生活が結びついてないと、教育って成立しないんだと思います。でも、それを実現するのは今の社会構造じゃめちゃくちゃ難しいんですよ。

平凡な人間でも自由に生きることは可能ですか?

そもそも平凡な人間なんていないと思うんですよね。特に子どもを見てると、みんな面白くてすごい多様性がある。でも、学校教育の中でどんどん平凡な人間にされていくんですよね。 私自身も才能があるとか思ったことはなくて、ただ「やりたくないことはやらない」って決めてたんですよね。そうすることで、無駄な労力をかけずに自分のやりたいことを続けられたって感じです。人間的な魅力とか創造性って、実は経済の中で一番価値があるものだと思うんですよ。だから、つまらない人間を作る教育っていうのは本当に破壊的だと思いますね。

子どもが怪我で夢(ダンサー)を諦めざるを得なくなった時、親はどう接したらいいですか?

難しい質問ですね。でも、たとえば「腰椎を骨折したから踊れない」ってことはないと思うんですよ。身障者の方がやってるダンスもものすごいインパクトを与えてるし、いろんな形の踊りがある。ただ、夢ってそもそもすごく定型的にされちゃってるんですよね。「東大に行きたい」とか「ノーベル賞を取りたい」とか。それを達成しないとダメみたいな考え方自体が恐ろしいと思うんです。大事なのは「今をどうよく生きるか」だと思いますね。でも、そんなことを子どもに言っても嫌がらせにしか聞こえないから、まずは環境を変えることが大事だと思います。学校や社会が要求する「成功」みたいなものから離れられる環境を作ってあげるのがいいんじゃないかと思います。

現代社会で「子どもを守る」を実現するにはどうしたらいい?

本当に大変なことだと思いますね。「子どもを守る」って言うのは簡単なんだけど、この国の仕組みの中でそれをやろうとすると、もうめちゃくちゃ軋轢があるわけですよ。その軋轢って、基本どうしようもなくて、その軋轢を抱えながら、もうひたすら「子どもを守る」にしがみつくしかない。それをやるってことが政治的な行動であり、それを助けるのが政治家の役割なんですよ。でも、今のシステムだと、そういうことをちゃんとやる政治家が当選しづらいっていう仕組みになっちゃってる。だから、本当に難しい問題ですけど、少しずつでも変えていくしかないですね。



今回の勉強会について、ネット上でのご感想です👇
つぶやいてくださったみなさま、感謝です☆

◆考えさせられる勉強会でした。子どもを守る為にはまず積極財政が必要かと。安全、食べる物、寝る場所を用意するには財政出動は必要なのでは。
辻村ちひろ氏が言うように日本一個分の暮らしにして、核禁止を旗に平和外交、武器では無く感謝される製品輸出して経済で世界と繋がる。
れいわしか居ない!!

◆正直、最初これはなぁ〜、と思った。が、段々話が面白くなり最後は納得。思わず拍手した。いや〜、良かった。前々から感じていた。結局、教育とは権威に従順な者をつくるための洗脳でしかない。この点、一致した。だから、大卒でないからこそ沖縄戦では生き残り、オウム幹部には高学歴が多いのだ。

◆安冨先生のお話、マジで何時間でも聞いてられる。体調悪い中、長時間ありがとうございました!お大事になさってください!

◆安冨先生、大好き。とても勉強になりました。先生のお話は本当に面白い。

最後にくしぶち本部長から、コメントと追加の質問をいただきました!

安冨さん、本日は体調が悪い中、ありがとうございました。お話を聞いて、既存の価値観を壊すような大切な視点を得ました。最後にひとつ、第3次世界大戦を止めるには日本が核廃絶を先導すべきというお話がありました。私は核兵器禁止条約の締約国会議にも出席してきましたが、核を持たない国々が連携して核保有国に対抗し、植民地主義や帝国主義を超えるような運動を起こすことが平和につながると思っています。特に被爆国である日本がその先頭に立つべきだと思うのですが、どうでしょうか?

そうですね。臨界状態に来ていると思います。最近驚いたのが、アメリカの政治における黙示録的な世界観です。これは陰謀論とかじゃなくて、本当にハルマゲドンを起こしたいって思ってる人たちがいるんですよね。トランプ支持者の中にもそういう人が多い。日本はそういう最後の審判の物語に関係ない、少数派の国なんです。キリスト教徒が1%以下の国なんて世界でも珍しい。だからこそ、この立場を活かして中東や核問題でのリーダーシップを発揮すべきだと思います。しかも、核兵器で攻撃された経験を持つ国として、歴史的意義もある。これを第3次世界大戦を止めるために活かさない手はないです。


今回の勉強会を通じて、「子どもを守る」を政治の原則として据えることの重要性を深く認識しました。子どもを守るというのは、寝る場所、食べ物、殴られない環境を確保するというシンプルなこと。なのに、今の社会は子どもを守る環境を十分に提供できておらず、その根本的な見直しが求められています。

社会の仕組みを変えることは容易ではありませんが、この勉強会で得た視点を活かし、少しずつでも実現可能な社会づくりに貢献していけたらと思います。

安冨歩さん、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました🌟

さかぐち事務局長、くしぶち本部長、安冨歩氏
安冨歩氏、さかぐち事務局長、くしぶち本部長

安冨歩氏の著書もぜひチェックしてみてください!
 ↓
〇生きるための日本史 – 青灯社 2021/3/26
〇ありのままの私 – ぴあ 2015/7/30


れいわオーナーズ・フレンズ」にご登録いただくと、全国オンライン勉強会やイベントのご案内が届き、マイページから過去のアーカイブも視聴可能となります。
→ ご登録はこちら