HOME ボライベ 全国オンライン勉強会 第13回全国オンライン勉強会【今野晴貴氏】

「若者の労働・貧困問題を政治はどう見るべきか?若者意識に基づく政策は」

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今野晴貴氏

今野晴貴氏の顔写真

NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。

近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。

流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。


レポート🌟

第13回全国オンライン勉強会【今野晴貴氏】2024.10.24(木)


今回は、長年にわたり若者の労働問題に取り組んできた今野晴貴氏をお迎えし、厳しい労働環境への対応や解決策について学びました✨
今野氏は、「ブラック企業」という言葉を世に広めた先駆者で、NPO法人POSSEの代表として、働く若者を支援し続け、数々の成果をあげてきた実績があります。

笑顔のさかぐち事務局長、今野晴貴氏、くしぶち万里本部長

始めに、くしぶち本部長のご挨拶からスタート😊

選挙期間中にもかかわらずご参加ありがとうございます。今野さんにはお忙しい中、お話の機会をいただき感謝いたします。
今回のテーマである若者の労働環境の問題は、今の選挙戦においても重要なテーマのひとつ。れいわ新選組は、こうした課題に取り組むためにもこの選挙戦を戦っています。皆さんと課題を共有し、理解を深め、新しい社会を作るための大切な糧にしたいと思います。

それでは、今野氏の経験や視点を通じて、若者たちの厳しい現状と、その解決に向けた手がかりを探っていきましょう🌟



🌟「ブラック企業」ネットスラングから社会問題へ

一時期、ネットスラングだった「ブラック企業」という言葉。しかし、今では社会的な議論の焦点にまで成長しています。その背景には、雇用環境の悪化が深刻化する中で、劣悪な労働条件を訴える声がネットを通じて広がり、多くの正社員・非正規労働者から相談が寄せられたことが挙げられます。では、なぜ「ブラック企業」は増え、何が問題とされているのでしょうか?


🌟ブラック企業の特徴

選別型:優秀な社員や会社に従順な社員だけを残し、他の社員に精神的なプレッシャーをかけて「自発的な退職」を誘導する手法です。中には待機室に出勤させるよう命じたり、”リボーン計画”と呼ばれる自己反省文を書かせたりするようなケースも報告されています。
使い潰し型:法のグレーゾーンを利用し、固定残業代や管理監督者の名目で長時間労働を強いる手法です。過労死事件が発覚し賠償が求められるケースもありますが、根本的な構造的問題は改善されていないのが実情です。


🌟「法の抜け穴」がブラック企業を支える

ブラック企業が生き延びている背景には、法的な制度の隙間が存在します。たとえば、求人票に記載された内容と実際の契約が異なっていても法的には問題とされず、結果的にブラック企業が拡大する一因となっています。


🌟「ブラックバイト」に蝕まれる学業と生活

学生たちは時給900円の低賃金で、まるで正社員並みの責任を担わされていることも。企業の戦力として期待されながら、対価は低く、日々勉強と生活を天秤にかけなければならない、そんな苛酷な現状が広がっています。


🌟声を上げることの重要性

多くの被害者は恐れや諦めから声を上げられません。問題が表面化しない限り、違法行為も隠されたまま。こうした状況を変えるには、労働者が権利を行使しやすい環境を社会全体で支えることが不可欠です。




上記がお話いただいた主な内容です✨
この他にもエッセンシャルワーカーが抱えている問題、安定したキャリア形成の促進や、多様なライフスタイルと選択肢を支える社会保障の必要性が語られました。

詳細はアーカイブでぜひご覧ください🌟



今野晴貴氏
今野晴貴氏



質疑応答の時間に移ります☆
今回は特に、参加者の皆さんから自身の経験に基づいた切実な質問が多く寄せられました。たくさんの質問の中から、いくつかをピックアップしてご紹介します。


ロスジェネです。若い頃就職がうまくいかず、何社かを転々としてきました。なぜ世の中はこんなに厳しいのでしょう?希望が見えず、どうすれば救われますか?

社会の規範が特定の生き方を求めており、それから外れると価値が低いとされがちですが、もっと多様な生き方が許容されるべきです。社会保障を充実させることで、非正規でも生計が立てられるようにし、地域やライフスタイルに関わらず暮らせる仕組みが必要です。

海外移住を検討中。日本に未来がないように感じますが、先生のご意見を伺いたいです。

現状、日本の展望は厳しく、自分の幸せだけを考えれば海外へ行くのも現実的な選択肢でしょう。ただ、私たちの社会を改善したいとも思っています。人を大切にする社会保障やスキルアップの支援が進む国としては、北欧が参考になるでしょう。

高校中退後、バイトを掛け持ちしながら生計を立ててきました。正社員になることは本当に難しいです。レールを外れると、生きることがこれほど難しいなんて…。これは自己責任?政治の問題なのでしょうか?

一度レールを外れるとチャンスがなくなるのは異常です。大卒や高卒の一括採用を基本とする日本のシステムは異例で、他国では多様な道が許容されます。努力しても認められないのは社会構造の問題で、今の日本では自己責任という言葉自体が妥当でないと思います。

労働者が不当な扱いを受けた場合、公的機関はなぜ十分に支援してくれないのでしょうか?

日本の労働法は労使自治の原則を重視し、労働組合による交渉を基本としています。しかし、日本の労働組合は弱体化しているため、実際には機能しないケースが多いです。公的機関の介入も難しいのが現状です。労働組合の運動を強化し、その側面での政策サポートが重要と考えます。



今回の勉強会について、SNS上でも熱い反響がありました👇
つぶやいてくださったみなさま、感謝です☆

◆日本の労働環境の酷さがよく分かる内容。特に若者。ブラックバイトまでの流れもわかる。
政治が分からないことを良いことに日本はめちゃくちゃ。
高齢者はお金持ちとかいう幻想を信じている人はこれを見て目を覚ましてほしい。
日本は本当にめちゃくちゃな社会なんだよ。

◆選挙ボランティアの追い込みマックスな今夜も、労働問題のオンライン勉強会に350人参加。正社員という触れ込みで残業込みの休み無しで、ブラック労働から抜けられない労働者。会社によって(側)は、辣腕弁護士と結託し、鬱など精神障害にさせて自己都合退職にする計画的な研究までしている有名企業もあるとか。非正規、未婚でも生きやすい社会を。

◆ロスジェネ世代としては身につまされるものがありました。選挙終盤の大変な時期にありがとうございました。

最後にさかぐち事務局長より、

今日の質問には、『どうすればいいのか』といった当事者の切実な声が多く、日本社会の現状が浮き彫りになったように感じました。一方で、権力者が脱税などを隠し、裏金問題も続く中、真面目に働く人々がなぜこれほど苦労するのか、と疑問が残ります。私も以前、大手企業を辞めて平和構築の仕事に携わり、その活動を続けるために(その中で)ブラックな働き方も経験しましたが、今日の皆さんの声に、自分の体験が重なり、共感する場面が多くありました。

とのコメントをいただきました。



今回の勉強会では、若者が直面する厳しい労働環境について深く理解することができました。最後に今野氏もおっしゃっていましたが、参加者の皆さんが本当に困っているということ、特に氷河期世代の方々が多く発言していたのが印象的でした。

労働問題は非正規だけに留まらず、正社員の中でも格差があること。日本社会が労働者を使い捨てることによって経済を成り立たせてきたということに怒りしかないです…。このような中でも、こうして私たちが政治活動に参加していること。この活動こそが政治を動かす力になっていくんだなと実感しました。働き手の尊厳を守るための変化を促していきたいですね!

今野晴貴さん、そしてご参加いただいた皆様、ありがとうございました🌟

さかぐち事務局長、今野晴貴氏
笑顔のさかぐち事務局長、今野晴貴氏

今野晴貴氏の著書もぜひチェックしてみてください!
 ↓
〇賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ – 青土社 2021/11/26
〇ブラック企業から身を守る! 会社員のための「使える」労働法 – イースト・プレス 2018/8/5
〇ドキュメント ブラック企業「手口」からわかる闘い方のすべて – 筑摩書房 2014/8/6


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