「ボランティアが支える政党とラディカル・デモクラシー」

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中島岳志氏

1975年、大阪生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。

2005年『中村屋のボース』で、大仏次郎論壇賞、アジア太平洋賞大賞を受賞。著書に『秋葉原事件』、『「リベラル保守」宣言』、『血盟団事件』、『親鸞と日本主義』などがある。現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。

著書『「リベラル保守」宣言 』(新潮社)など多数。


レポート🌟

第12回全国オンライン勉強会【中島岳志氏】2024.9.27(金)

今回も素晴らしい講師をお迎えしました!
政治学者で東京工業大学教授の中島岳志氏が、れいわ新選組の核心とも言えるテーマについて語ります✨

始めに、くしぶち本部長からのご挨拶😊

みなさん、こんばんは。今日は自民党の総裁が決まり、次の総理がほぼ決まったタイミングで、政治学者の中島岳志さんをお迎えできて嬉しいです。
中島さんは日本の政治の歴史の分析から各党がどういう政治姿勢なのか鋭い言説をお持ちで、今日も楽しみにしています。また、石破氏の総裁決定を受けて山本太郎代表から「踊り子が変われど振り付けは一緒。経団連とアメリカの奴隷自民党は倒すしかない」というメッセージが出されました。この言葉を紹介し、中島さんにお話をお任せしたいと思います。よろしくお願いします。

なんという絶妙なタイミング…!✨

それでは、講義内容に移りたいと思います🌟



🌟保守とは何か?その再定義

中島氏は、自身を「リベラル保守」と位置づけ、現代の「保守」という言葉が本来の意味を失い、「保守のインフレ状態」である点を指摘します。ここで紹介されたのが、イギリスの政治家エドマンド・バークの思想です。バークは、社会を大きく変えるのではなく、伝統と経験に基づき、徐々に改善を図ることを主張。これが「保守」の本質であり、中島氏はその考え方が「寛容」と「懐疑」を重んじる姿勢につながると述べました。他者の意見に耳を傾け、自分の信じる正義を絶対視しないことが重要だということです。


🌟日本政治の現状と課題

自民党政治による「リスクの個人化」や「価値観のパターナル化」を批判し、リベラルな保守による再分配と価値観の自由を尊重する政治の必要性を訴えました。象徴的な例として、選択的夫婦別姓やLGBTQの権利問題など、価値観が大きく対立するテーマが挙げられました。


🌟ラディカルデモクラシーとは

この概念は、単に一票を投じるだけではなく、市民が直接的に政治に参加し、他者と合意形成をしていくことによって、自分たちの主権を行使するというもの。「熟議デモクラシー」と「闘議デモクラシー」、二つのアプローチがあります。
熟議では、対話を通じて合意を形成することが重視され、例として世田谷区の市民参加型の街づくりが挙げられました。
一方、闘議デモクラシーは、対立をあえて鮮明にし、感情や敵対心を引き出すことで政治的変革を促すもの。シャンタル・ムフの理論に基づき、「このようなラディカルなアプローチも時に必要」と強調します。


🌟ポピュリズムの本質

ポピュリズムはエリート層に対抗し、民衆の声を政治に反映させるという点でポジティブな側面もあります。しかし、現代のポピュリズムは、弱者を攻撃するような側面も見られると警告します。ヨーロッパでの移民への反発や日本における生活保護受給者へのバッシングがその典型です。


🌟山本太郎とれいわ新選組の台頭

2019年、一人の新しいリーダーが急速に支持を集めます。それが山本太郎氏です。彼の消費税廃止を掲げた「れいわ新選組」の誕生は、多くの人々の注目を集めました。山本氏の演説には、政治に疎外されてきた層への強いメッセージが込められており、その場には多くの支持者が集まりました。
中島氏は特に、2019年の参議院選挙における特定枠を使った戦略について感銘を受けたと述べ、その手法が新たな政治運動の可能性を示していると評価しました。


🌟れいわ新選組の未来戦略

選挙後にはれいわの政策が可能になるケースがあること、ボランティアでボトムアップ型組織を作ること、選挙制度改革の重要性など、興味深いポイントが次々と浮かび上がります。特にキャスティングボートを握ることを目指す戦略や、選挙制度改革に向けた具体的な提案は注目です。これらの議論についての詳細は、ぜひアーカイブをご覧ください!



上記がお話いただいた主な内容ですが、他にも野党再編や希望の党と立憲民主党の誕生についてのお話もありました🌟



そして、質疑応答の時間へ☆
沢山のご質問の中から、一部をご紹介します。


2019年の立ち上げ時や2021年の東京8区では利他性が見られましたが、最近は等価交換を求める姿勢に変わっているように見えます。政局を賢く立ち回るためには、政党としての強さが必要だと思いますが、その点について、中島先生のご意見をお聞かせください。

利他と利己は対立するように見えて、実際はメビウスの輪のように表裏一体です。最初は利己的な動機でボランティアを始めても、続けるうちに利他性が高まることがあります。しかし、野党共闘のような枠組みでは、利他性が求められる一方、現行制度ではそれが難しい。根本的には選挙制度を変えるべきです。選挙制度が変われば、もっと自由に発言しやすくなり、その後にどう協力するかを決めることができるでしょう。中選挙区連記制にするのが良い解決策だと思います。

れいわ新選組は不条理を押し付けられている99%の側に立つ政党だと認識しています。しかし、選挙では必ずしもその層から支持を得られていません。れいわが躍進して政権交代や政策実現を目指すにはどうすればいいでしょうか?

他の野党に合わせる必要はなく、れいわの強みをしっかり強調して、比例を中心に票を獲得していくべきだと思います。消費税問題などで妥協せず、自分たちの立場を貫くことが重要です。

ボトムアップ型民主主義を強化するためには、大衆の積極的な議論や政治参加が必要です。日本ではデモも少なく、権力に迎合しやすい政治文化がありますが、ボトムアップ型の民主主義は可能だと思いますか? もし可能なら、どのようなきっかけや働きかけで日本の民主主義を鍛えられるでしょうか?

民主主義を支えるには「中間共同体」が重要です。国家と個人の間にある、ボランティアや地域の協力活動などがその基盤になります。子育てサークルや地域のカフェなど、身近で気軽に参加できる場が民主主義の始まりです。政治への直接参加は難しいかもしれませんが、まずは身近な公共活動に関わること、こうした場所を大切にすることで、それ自体が民主主義への関与となります。



今回の勉強会について、SNS上でも熱い反響がありました👇
つぶやいてくださったみなさま、感謝です☆

◆中島岳志さんの話、めちゃくちゃ面白かった❣️
個人的な付き合いがあったという細野氏や枝野氏との裏話から山本太郎さんとの感動秘話まで…🥹
多岐にわたる政治のお話、大変タメになりました✨🙏✨

◆めちゃくちゃ参考になりました🎵
目黒区にある東工大【10月から東京科学大学】中島岳志教授のお話
2009年以降の野党の戦略かられいわ新選組の誕生、ひろゆき現象・石丸旋風
石破茂氏の考え方までスッキリ理解出来ます‼️
日々、議会活動・地域活動に邁進してますが、たまーに視座を高くすると
時代の流れが見えて来ます。。。神回❗️

◆中島岳志さん、ありがとうございました🙇‍♀️
民主主義って分かってるようで案外分かっていなかったりするので、とても貴重な講義でした。
ボランティアや候補者になる人には絶対知っていてほしい内容です。

最後にくしぶち本部長より、

貴重なお話をありがとうございました。新たな発見や深い理解を得られ、大変興味深く聞かせていただきました。特に2019年のれいわ新選組結党前の山本代表との永田町での出来事は初めてお聞きしました。その大切な本質に気づいてくださった点は、ラディカルデモクラシーの精神を私たちと共有していると感じました。れいわが現在、国会議員8名、地方議員約55名まで成長したのは、ボランティアのみんなの力です。次の衆議院選挙では20名規模を目指し、与野党の茶番に対抗し独自路線で戦う重要な選挙になると考えています。

とのコメントをいただきました☆


そして、さらに追加のご質問が!😆

れいわ新選組は直接的な政治参加の場を作り、ボランティアの声を政策に反映させてきました。アメリカのサンダースが99%の声を聞く運動を進めたのと比較して、れいわの進む路線に違いがあるのか、その手法についてどう考えていますか?(くしぶち本部長)

サンダースは一つのモデルですが、ヨーロッパでの「ミュニシパリズム」(地域主権運動)も参考になります。バルセロナでは、首長を取る運動が進み、地方自治の力で新自由主義を市民ベースの政策に戻す取り組みが行われています。地方自治体の首長を取ることで、民営化された公共サービスを市民の手に戻すなどの具体的な変革が可能です。
このような地方政治の取り組みが東京西部や世田谷、杉並などで広がっており、れいわも地方議員と連携して国政に影響を与える手法を取ることができると考えています。

国政と地方の二層のチャレンジというものを目指していきたいと思います!


と、くしぶち本部長からの決意が示され、勉強会は終了🌟


今回の勉強会では、れいわ新選組が政権を取るための戦略や課題について、たくさんのヒントをいただきました。国政への直接挑戦だけでなく、地方政治での連携や市民参加の広がりが鍵になるとの見解が印象的でした!
れいわの独自性を守りつつ、市民から始まる政治運動が日本でもうまくいく可能性を強く感じました☆

中島岳志さん、そしてご参加いただいた皆様、遅くまでありがとうございました🌟

中島岳志氏の著書もぜひチェックしてみてください!
 ↓
〇オルテガ 大衆の反逆 真のリベラルを取り戻せ – NHK出版 2022/2/25
〇思いがけず利他 – ミシマ社 2021/10/25
〇「リベラル保守」宣言 – 新潮社 2015/12/23


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