「今のままでいいのか!?日本の災害対策を問う」
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石原凌河氏

1987年京都府生まれ。阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター等を経て2016年4月より現職。
都市防災・防災教育・災害復興に関するテーマを中心に実践的な研究に取り組んでいる。
能登半島地震では発災直後から学生とともに被災地を訪問し、避難所や仮設住宅のボランティア活動等に積極的に取り組んでいる。
レポート🌟
第14回全国オンライン勉強会【石原凌河氏】2024.11.22(金)
災害の多い日本。次に備えるために、今何を考え、どのように動くべきなのでしょうか。
今回は、龍谷大学准教授で、災害研究の専門家でもある石原凌河氏を講師に迎え、日本の災害対策の現状と課題について学びました🌟
司会進行はおなじみのさかぐち事務局長!その穏やかで安心感のある進行ぶりは、毎回勉強会を支える欠かせない存在です😊

まずは今回の衆院選で見事当選した、やはた愛議員がご挨拶!
れいわ新選組の衆議院議員にようやく滑り込みました!私は東日本大震災をきっかけに社会活動や政治活動を始めたので、災害は私の政治活動において切り離せないテーマです。今日は、石原先生のお話をしっかり聞いて、防災や減災について一緒に学んでいきましょう!
それでは、石原氏の実践的な現場経験をもとに、災害復興や防災対策のあるべき姿を探っていきましょう🌟
🌟能登半島地震が示す日本の災害対策の課題
2024年の能登半島地震は、過去の地震や豪雨災害が複合的に影響する「災間」の象徴です。震災関連死や長期避難者が多発。縮小社会の影響もあり、被災地では支援の届かない人が数多くいました。こうした状況が首都直下型地震や南海トラフ地震の際にも、大規模な混乱を招く可能性があるとの警鐘。少子高齢化が進む地域では特に、災害対応資源や人員不足が顕著であり、今こそ抜本的な見直しが必要です。
🌟災害ボランティアをめぐる課題
「静かすぎる被災地」と言われた能登半島地震。行政による管理が強化される一方、ボランティア活動が制限され、現場のニーズに応えられない状況が課題となりました。さらに、SNSで広がるボランティア自粛の流れが、必要な支援を阻害する事態を招くことに。このような状況は、縮小社会における公助と共助の力の低下を反映しています。
🌟避難所運営の課題
「避難所ガチャ」―行政管理の指定避難所と自主避難所では、支援体制や環境に大きな差がある現状が明らかに。一方で、台湾では民間団体が避難所運営に積極的に関わり、効率的で柔軟な対応が実現されています。日本でも行政と民間の連携強化が求められています。
🌟生活再建支援制度の限界
住家被害の程度で支援が決まる日本の制度では、多くの被災者が支援の対象外に。 被災者の多様な状況に応じた個別支援を目指す「災害ケースマネジメント」の導入が重要で、住宅被害と生活再建を分けて考える必要があります。
🌟今後の日本の災害対策のあり方と「防災省」設立の必要性
縮小社会の中、能登半島地震は災害対応資源の枯渇や被災者支援制度の限界を浮き彫りにしました。防災省設置は迅速な対応を期待できますが、調整力や専門性の欠如、形式的な組織にならないかが懸念されます。専門人材の育成や省庁間の調整を行う仕組みが、日本の防災力向上の鍵になるとされています。
上記がお話いただいた主な内容です✨
れいわの防災マニフェストにも触れながら、NPOなどで培った人材を公務員として採用し、その知見や経験を活かすことが、現代の日本の災害対策において非常に重要だとお話いただきました。
詳細はアーカイブでぜひご覧ください🌟


次は、皆さまからの質疑応答時間🌟
たくさんの質問の中から、いくつかピックアップしてご紹介します。
- 日本にも災害発生から一定時間内に避難所を設置する法律が必要では?
-
各自治体の避難所運営マニュアルで「6時間以内に設置」という目安が定められています。ただ、都市部では行政職員が地元に住んでいないケースが多く、地元住民に避難所開設を任せざるを得ない状況が課題です。
- 避難所運営で参考にすべき国や具体例はありますか?
-
台湾ではNGOや民間団体が避難所運営に深く関わり、行政と住民だけでなく専門家も含めた体制が整っています。日本でも平時から外部団体を避難所運営に組み込む仕組みが必要です。
- スフィア基準(避難所の国際基準)を法に明記すべきでは?
※スフィア基準
◆トイレは20人に1つ以上、男女別で、男子:女子=1:3
◆1人1日最低15リットルの水を使用する
◆1人あたり3.5mを超える居住空間が必要 -
スフィア基準に沿った環境整備は重要です。特に広域避難や遠隔地での避難生活を促すことで、基準を達成しやすくなります。被災地だけでなく全国的な避難体制を整える発想が必要です。
- 能登半島地震発生時に、与野党が視察自粛を決めたことについて、どう感じますか。山本太郎代表が被災地に入って活動して批判を受けた一方で、与野党は視察自粛をしていました。
-
政治家が被災地に行くことは、仕事として当然の役割だと思います。現場を見てこそ、困っている現状を国に伝え、災害対策を考えるべきです。現場を見ないで対応を考えることはあり得ませんし、現場の状況をパフォーマンスだと切り捨てる風潮は非常に残念です。社会全体が目の前の困っている人々を無視するようになっていることが、問題の根本だと思います。政治家だけでなく、ボランティアも困っている人がいるのに行かないことに疑問を感じます。日本社会がこのようになってしまったのは恐ろしいことです。
- ペット同行避難に行政が協力しない場合、どう動かせば良いですか?
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地域で「地区防災計画」を作成し、防災会議を通じて自治体に提案する方法があります。これにより、行政も無視できなくなります。議員を通じて働きかけるのも有効です。
今回の勉強会について、ネット上でのご感想です👇
つぶやいてくださったみなさま、感謝です☆
◆1番驚いたのは、能登半島の被災地救助の為の「災害対策本部」を県も市も現地に作っていないということ。
道路が寸断され、孤立集落となることは予想されていたのに、空路拠点が整備されず、金沢から見て対応していたとか。
◆都市防災が専門の龍谷大学准教授 石原凌河氏
能登半島地震 広域避難
2次 1.5次避難所などの分かりやすいご説明が‼️
◆石原先生の勉強会、深く考えさせられました!「災間」の視点は初めて知りましたが、確かに今後の防災には欠かせない概念ですね。
具体例も多くて理解しやすかったです。
最後にくしぶち本部長と、さかぐち事務局長より、
石原先生、今日はありがとうございました。また、ボランティアの皆さん、ご参加ありがとうございます。総選挙で再選させていただき感謝申し上げます。能登半島の視察では、行政主導で現場の声が十分反映されていない現状を痛感しました。石原先生のお話にもあった「現場の声」を大切に、れいわは先陣を切って国会で頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました。災害は自分が当事者にならないと実感しにくいかもしれませんが、日本は災害大国です。先生が最初におっしゃった『世界観』の通り、いつ自分の身に起こるか分かりません。今日の講演をきっかけに、災害にどう向き合うか、一人一人が自分の問題として考えるきっかけにしてまいりたいと思います。
とのコメントをいただきました。
今回の勉強会では、能登半島地震を例に、避難所運営や支援制度の改善の必要性が強調されました。特に、NPO・NGOの活用不足や、被災者支援の線引きの問題が浮き彫りとなり、多くの改善点が示されました。
石原氏は災害対策における「現場の声」の重要性を強調され、特に山本代表が災害発生後すぐに現場に駆けつけたことを高く評価されていました。政治家として現場の声を直接聞くことがいかに大切か、そしてそれが災害時の迅速な意思決定にどう結びつくかが、改めてよくわかりました。
「災間(災いの間を生きる)」という新たな視点から、地域と国が連携して被災者支援を進め、制度を再設計する重要性が語られ、未来の防災体制を共に考える機会となりました。
今日の学びを日常の防災対策に活かし、より良い未来を一緒に目指していきましょう!
石原凌河さん、そしてご参加いただいた皆さま、ありがとうございました🌟


石原凌河氏の著書(共書)もぜひチェックしてみてください!
↓
〇COVID-19 各国の政策と市民ボランティア – 関西学院大学出版会 2021/4/12
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